JOURNAL #572022.10.03更新日:2023.10.24
レスキュー隊員:竹内 雅人
9月7、8日に行った月例訓練では、狭隘空間でのレスキュー(CSR)、および医療的処置(CSM)について学んだ他、8月末に隊員3名が派遣されたトルコ視察報告会が行われました。
●CSR、CSMについて
地震等で倒壊した建物に人が取り残されている可能性がある場合、空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”は最初に救助犬等での捜索を行います。
そして、もし反応があった場合には、その瓦礫の下に隊員を投入する必要性がでてきます。
その場合、高い危険性を伴う捜索救助になるため、十分な理解と訓練が必要であることから、今回の訓練では理解度を深めるための座学となりました。
CSRの部分では、指揮者、捜索&救助、医療、ロジスティクスの各チームのタイムラインを確認し、各チームの必要な動きやそのタイミングにより、どうしたら救出までの時間を短縮できるかについてを学びました。
通常の捜索救助も同様ですが、自身の危険性の高さも相まって「一秒でも早く」救助するまでの練度の足りなさを痛感した講義でした。
その他にも用語や捜索を行った時の世界共通のマーキング方法についてを学びました。
CSMの部分では、狭隘空間での救助活動時に必要とされる医療処置には、要救助者に
1.クラッシュシンドロームが疑われる時
2.鎮痛、鎮静が必要な時
3.四肢の切断が必要な時
等があり、逆にそれ以外は医療従事者が極力狭隘空間に入るべきではないと言われていることも学びました。
どちらもこれまで実技訓練を何度か行ってはいますが、「ここがもっと狭かったら」「要救助者までの距離がもっと長かったら」を考えると、どこまでやっても全然足りない気持ちになりました。
遭遇する確率は高くはないですが、今回も各隊員が「自分が入らなくてはならなくなった時」を想定して、緊張した学びとなりました。
●トルコ視察報告会
8月は、トルコの(災害対応を主眼とした)NGO「GEA」が、INSARAG(国際捜索救助諮問グループ)の認証試験受講の様子を確認することが目的でした。
トルコも日本と同じく災害の多い国ですが、日本と違う点は、民間の災害支援団体がとても大きな力を持っており、なおかつ認知されていることです。
認証試験の内容は、民間団体が「共助」を飛び越えて「公助」にまで力を発揮している所に、とても興味を惹かれる内容でした。
そして、空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”がINSARAGの認証を受けるには、まだまだ乗り越える壁があることも確認できました。
今回の訓練と報告により、私たちの課題を改めて考えることができました。
私たちが「1秒でも早く、1人でも多くの命を救うため」に、今後も訓練を継続してまいります。
引き続き、皆様からのあたたかい応援をよろしくお願いいたします。
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WRITER
レスキュー隊員:
竹内 雅人
2013年からレスキューチームに参加を開始し、2017年に正式に入職。現在、国内事業部所属。国内外の出動、訓練参加を経験しているのが強み。レスキュー隊員の他、地方創生事業として観光施設の管理運営業務を行う。
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