JOURNAL #502022.07.29
「緊急地震速報・防災無線も聞こえなかった。もし近所の人が助けに来てくれなかったら津波で死んでいたかもしれない。」
「避難所で食事の配給を知らせるアナウンスが聞こえず、食事がもらえなかった。」
「豪雨や避難の呼びかけも聞こえず、朝目覚めたら1階が浸水していた。2階に寝ていたから助かった。」
これまでの災害で出会った聞こえない人たちの言葉です。
東日本大震災において障がいのある人の死亡率は障がいのない人の約2倍。
その中でも1位が視覚障がい、2位が聴覚障がいであったという結果が出されています。
人が危険から身を守り行動する上で「音」は重要な情報源です。
例えば、「聞こえる」人は豪雨の時、雨、風、雷、異様な音、警報、防災無線などから危険が迫っていることを察知します。
しかし、「聞こえない」人はその音が「聞こえない」ことにより、災害時は命の危険に遭遇するリスクが高くなります。
更に「聞こえない」ことは、外見からわかりにくく目に見えない障がいによって、支援が遅れる場面も多くあります。
避難所においては多くの情報が音声でのアナウンスで行われ情報が入らず、またコミュニケーションがとれないことで孤立してしまいます。
現在、「聞こえない」人は全国に約34万人程度います。
「聞こえない」と言っても障がいの背景や聞こえの程度も様々です。
また補聴器、人工内耳、手話、口話、筆談、文字入力などコミュニケーション手段も人それぞれ違います。
相手にとってどんなコミュニケーション手段が良いのか確認することは情報保障の観点からも重要です。
平時も、災害時も「聞こえない」人が共通して求めていることは「目で見てわかる情報(視覚情報)」です。
緊急時は、身振りや指差し、光の合図、口を大きく開けてゆっくり話すなど自分にできる方法で危険を視覚的に伝えることが大切です。
避難所においては音声アナウンスだけでなく、掲示板への掲載や筆談、携帯の文字入力などでサポートすることで伝わります。
これからの時期、豪雨や台風など災害が起こりやすくなっていきます。
「聞こえない」、「聞こえにくい」人たちがいるということを理解し、もし出会ったときにあなたにできるコミュニケーション手段を駆使して「見える」情報にして伝えてください。
あなたの理解と行動が誰かに安心を与え、1人でも多くのの命を救うことに繋がるかもしれません。
WRITER
看護師:
新谷 絢子
看護学校卒業後。日本医科大学千葉北総病院に勤務。退職同時期に東日本大震災発生。以来、数年災害支援に携わる。病院、看護学校、熊本地震での災害支援、訪問看護での経験を経て2021年9月から現職。
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