2022.05.27

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【災害医療×へき地医療】電子カルテを導入しました

空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”プロジェクトを運営するピースウィンズ・ジャパンは、「災害医療×へき地医療」として、ふたつの社会課題の解決に取り組んでいます。

本部事務所のある広島県神石高原町は、広島県の中東部、東は岡山県に隣接する標高500~600mの高原地域です。神石高原町の中でも特に高齢化の進む地区に、「神石町立へき地診療所」があります。ARROWSプロジェクトでは、この診療所に医師、看護師、調整員を派遣し、地域医療を支援しています。

さらに、2022年3月より、日本寄付財団の助成を受け、電子カルテを導入しました。
診察記録に係る時間が短縮されたことで、問診や超音波検査などを、より丁寧に、時間をかけて行うことができています。また、超音波検査の結果は電子カルテに反映することができ、経過を記録しやすくなりました。また、医師だけでなく、検査や会計業務など、他の医療スタッフの業務軽減にも繋がっています。
 


診察室で電子カルテを使用する医師

 


検査室でカルテ情報を確認する看護師長

 


会計業務を行う事務員

 
へき地診療所に通院する患者さんは、75歳以上の後期高齢者の方々がほとんどです。介護タクシーや、遠方に住む家族の送迎で来院されています。住み慣れた自宅で暮らし続けたいという患者さんの思いや、設備が整った近隣病院までは山道を車で約1時間かかることを考慮すると、このへき地診療所の存続は、この地域に暮らす住民の方々にとって非常に大切なものです。

このように、通院だけでも一苦労ある中、多くの患者さんは、私たちの他の活動(大規模災害を想定したフィールドホスピタルの設営訓練など)に惜しみないご協力と、温かいお言葉をかけてくださいます。

 


診察風景

 

今後、導入した電子カルテを活用することで、在宅医療やオンライン診療など、さらに一歩踏み込んだ地域医療への貢献を試みます。

少子高齢化を抱える多くの地域では、近い将来、神石高原町と同じような課題に直面するでしょう。その意味で、へき地医療は、いまや日本全体の課題といえます。
私たちの活動である「災害医療×へき地医療」の組み合わせが、過疎地域における医療提供体制のモデルケースのひとつとなるよう、尽力していきたいと思っています。

神石高原の小さな町から、グローバルな視点を持った医療活動を。
今後とも皆様の温かいご支援をよろしくお願いいたします。

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