2023.09.19
- 緊急支援
【モロッコ地震】看護師2名を含む支援チーム、医療の届かない山間部へ
モロッコ中部を襲った地震から1週間以上が経過し、抜け落ちた物資ニーズを埋める必要は依然あるものの、モロッコの人々の助け合いによる自発的な支援もあり避難生活に最低限必要な物資は充足しつつあります。しかし、やはり個人の支援ではまかないきれない「医療ニーズ」については、今も課題が残ります。
9月17日、看護師2名を含む支援チームは、中部都市マラケシュの医療従事者の協力のもと、震源に近い山間部の村を周りながら被災者の健康状態の調査と支援を実施しました。
土砂崩れの復旧作業が進む狭い山道を車で進むこと約3時間、目的地のラハネイン村が見えてきました。
120人44世帯が暮らす山間のコミュニティ。倒壊家屋も多く、情報によればこの村でも3名が犠牲になったとのこと。看護師が健康相談に乗ると伝えると、多くの村人が集まってきました。



「今の時点では地震による外傷患者は限定的。しかし、ただでさえ医療アクセスの限られた山間部で、慢性疾患の患者さんが薬を手に入れられなくなっていたり、避難生活の中での動悸・胃痛・不安等を訴える方が多かった」と菊池看護師は語ります。
「妊娠しているのだけど血圧が高くないか心配」
「地震があってから疲れやすくて… でも眠れないの」
「地震で怪我をして応急手当をしてもらったけど包帯を替えていないから経過を見てほしい」
口々に症状を訴える被災者に味呑看護師は通訳を介しながらも、被災者の目を見て「そうですよね。大変ですよね」と語りかけます。

この日、2つの村をまわりながら約40名の健康状態を確認し、被災者の相談に乗った支援チーム。多くの場合は直ちに治療が必要な症状でないものの、症状を緩和するため現地医療者の指示の元で必要に応じた医薬品を提供しました。

村の中を歩く私たちに、どこで覚えたのか、村人は「コンニチハ、アリガトウ」と片言の日本語で笑顔を向けてくれました。はるか山奥に暮らす被災者が「私たちは忘れられた」と絶望するようなことが決してないよう、私たちの想いを乗せた支援が続いています。

空飛ぶ捜索医療団では、引き続きモロッコで被災された方々の支援を続けます。
皆さまのあたたかいご支援をお願いいたします。
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