JOURNAL #482022.06.23

ブラジルで開催されたデフリンピックの活動報告

看護師:新谷 絢子

今年の5月、デフリンピック日本選手団本部メディカルチーム看護師として開催国のブラジルに派遣されました。
今回、73ヵ国から2,408人のアスリートが集結し、本大会で日本選手団は過去最高のメダル数を獲得しました。
 

 
一方で日本選手団内では連日、体調不良者やコロナ感染者が続出し、大会途中から全競技を出場辞退するという異例の事態なりました。同時に本大会においてメディカルチームはコロナ感染対応が重要な役割となりました。
陽性者のケア、感染対策はもちろんブラジルでの療養環境調整や外務省、領事館、病院、ホテルとの連携など多岐にわたり、チーム内で連携、分担し役割遂行しました。
 

 
異国の地で体調不良になることは心身ともに大きなストレスとなりますが、滞在していたホテルや近隣の病院スタッフは全面的にサポートしてくれました。
異国の地で安心して療養できる環境の提供とホスピタリティー溢れるマインドで対応してくれたブラジル現地の皆さんには感動と感謝しかありません。
 

 
活動の中で、一番印象に残っているのは、療養していた選手達との関りです。
陽性になった選手の多くは、5年間をデフリンピックに向け夢と希望を抱き全力を尽くてきていました。しかし、感染したことで1試合も出場することなく帰国せざるを得ない選手、他にも試合辞退せざる得ない選手も大勢いました。
また、10日間という隔離期間を狭いホテルの部屋で一人過ごさなければいけない。その現実は想像を絶する辛さです。

「なんのためにこれまで頑張ってきたか。本当に悔しい。」
「なぜ自分だけ」
「仲間と一緒にピッチに立ちたかった」

 


 
選手の手から溢れる思いと涙を見る度に、悔しさと辛さが痛いくらいに伝わりました。
選手達のこの苦しみにどう寄り添っていけばいいのか自問自答し、ただ歯がゆく、無力を感じる場面も多くありました。

同時に、日本選手団を無事に日本に帰すことはもちろん、最後の一人が帰国するまで責任もって支援することを心に決め、帰国後も現地スタッフや医師と連携し、オンラインを通じて、陽性者の体調把握やメンタル面の状況の確認、を行いました。
 


 
今回のデフリンピック派遣により、今後、選手達のメンタル面をどうケアしていくのかという課題がありました。

デフリンピックは2025年の日本招致に向けて動き出しています。
メディカルチームの一員として今回携わったものとして、選手達が今後の競技人生に向けて前進できるように、今後何ができるか考え、行動していきたいと思います。

WRITER

看護師:
新谷 絢子

看護学校卒業後。日本医科大学千葉北総病院に勤務。退職同時期に東日本大震災発生。以来、数年災害支援に携わる。病院、看護学校、熊本地震での災害支援、訪問看護での経験を経て2021年9月から現職。

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