JOURNAL #332022.02.02
空飛ぶ捜索医療団は、広島県の「オンライン診療センター」の立ち上げから運営に携わり、約半月が経ちました。
以前から、へき地医療を支えるための対策としてオンライン診療の導入を検討していた中、コロナの流行により自宅療養者への診療という医療ニーズが高まったことにより、導入への取り組みがより加速しました。
新型コロナ第6波の渦中でオンライン診療の対象となっている自宅療養中の患者さんは比較的、咽頭痛などの症状を訴える方が多くいらっしゃいます。
例えば、喉や頭が痛くて「水が飲めない」「食事がとれない」という状況が続いた場合、栄養状況が悪化し免疫が低下することにより、重症化リスクが高まってしまうことが懸念されます。
しかし、コロナ陽性ではクリニックに薬をもらいに行くことはできないため、オンライン診療センターで薬局との調整を行い、患者さんの自宅にお薬を届けます。また、診察でも、電話ではなく画面を通して顔色や様子を知ることができることにより、解熱などの対症療法をしっかり行えることで、きちんとした食事や睡眠がとれるようになり、早期の治癒が期待できるということもあります。
へき地でも広島市などの都市部の自宅で療養する患者さんに対し医療従事者として応えられるよう、継続して対応の強化を図ってまいります。
WRITER
医師:
稲葉 基高、坂田 大三
稲葉 基高/ピースウィンズ・ジャパン 空飛ぶ捜索医療団 医師
空飛ぶ捜索医療団プロジェクトリーダー
国内外で多数の災害医療支援経験を持つ。
救急科専門医、外科指導医、消化器外科指導医、集中治療専門医、社会医学系指導医、統括DMAT等の資格を活かし、現場の目線を大切にした活動を心掛けている。
坂田 大三/ピースウィンズ・ジャパン 空飛ぶ捜索医療団 医師
千葉県習志野市出身。外科専門医。
2019年2月から現職、バングラデシュ国ロヒンギャ難民キャンプ診療所運営に携わりつつ、
平時は広島県の僻地診療所、災害時にはARROWS医師として現場へ派遣。
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