JOURNAL #222021.08.27

【新型コロナ地域医療支援】ワクチン接種支援で見えた変化

5月中旬から7月下旬まで、神石高原町立 神石へき地診療所にてワクチン接種に携わっていました。

鈴木 強院長先生の主導のもと、診療所内が混雑しないように動線を整え、感染管理を徹底しながら診療所スタッフ一丸となり臨んでいました。
一日に200人以上を接種することもありましたが、神石高原町役場の方々も献身的に協力してくださり、特に大きなトラブルもなく終了しています。

ピースウィンズ・ジャパンは待合スペース用の大テントを貸与し、医師2名が診療支援を行ないました。
広島県内では医療従事者と高齢者以外への接種は県内で最も早かったそうです。

山陽新聞 掲載記事(6月29日)

新型コロナ感染症(以下、コロナ)が中国から世界へ流行した2020年の3月頃、イタリア北部ロンバルディア地方では高い高齢化率を背景に、致死率が7.3%と当時世界最高水準となっていました。
イタリアは65歳以上が人口の22%(日本は28.7%➖総務省)を占め、欧州連合(EU)加盟国で最多となっています。

高齢者や介護が必要な方々、そしてその方々を支えるエッセンシャルワーカーの方も多く感染しました。
その結果、通常の介護もままならず、まともな治療も受けられずに施設内で亡くなった高齢者の方が多かったことが、高い致死率となった原因の一つと考えられています。

現在、日本中で感染が再拡大しています。
空飛ぶ捜索医療団ではコロナ対策支援の一環として、クラスター感染がおきた病院や高齢者福祉施設に実際に赴き支援を行ないつつ、福祉施設を対象とした新型コロナウイルス対策個別相談事業・感染対策指導を行なってきました。

高齢者福祉施設でのクラスターを抑えることが医療崩壊を防ぐことに大きく寄与すると考えていたからです。

個人防護具(PPE)着脱指導の様子

しかし今回の第5波では今までと様相が異なるようです。
良い点は、ワクチンの影響から高齢者福祉施設でのクラスター発生数は比較的少なくなってきていること。
一方、感染力の高い変異株の影響で、ワクチン接種が進まない比較的若年層の感染者が増え、個々の健康状態のモニタリングに苦慮しているのが問題となっています。

昨年の今頃には実感できなかったコロナ感染に対する予防医療が、高齢者層では少しずつ実を結びつつあることを実感しています。
それと同時に、今までとは異なるコロナ対策を講じていく必要があると考えています。

先日、町のうどん屋さんで昼食を食べていると、『先生、この前、ワクチン打ってくれてありがとう』と声をかけていただき、住民の方に貢献できていることにこちらも嬉しく励みになりました。
これからも地域医療に貢献しつつ、世の中の情勢に空飛ぶ捜索医療団がどのように役に立てるかを皆で考えていきたいと思っています。

WRITER

医師:
坂田 大三

ピースウィンズ・ジャパン 空飛ぶ捜索医療団 医師 千葉県習志野市出身。外科専門医。 2019年2月から現職、バングラデシュ国ロヒンギャ難民キャンプ診療所運営に携わりつつ、平時は広島県の僻地診療所、災害時にはARROWS医師として現場へ派遣。

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